つまらない話をします。

私はまだ、自分で思うよりもずっと止まった時の中に閉じこもっているようです。今更こんな話をしている人、エイトファンの中にだっていないよ…(苦笑)(…ファンだから、軽々しくしないのか)


さてさて、夏休みですね。(時期的に) 暑くて暑くて、部屋を片付けながら汗だくです。夏の太陽のにおいがします。扇風機の風が生温いです。夏のにおいがします、今年も夏のにおいがします。「におい」とか「気配」とか、そういう感覚的なものを感じるのはとても苦手ですが、昔から夏のにおいにはちょっと敏感です。夏休みがあるからかな。特別な体験が多いからかな。




今月入ってずっとバタバタしてて、先週は肌も疲労感たっぷりで、台所にはチョコラの瓶がゴロゴロ転がってます。いや、もう落ち着いたのでそんなものに頼らなくても大丈夫ですが。で、大丈夫になって、ほっと息をして、それが、ちょうど梅雨明けのタイミングとほぼ被っちゃって、今朝、起きたとき、ああ夏だーって、思いました。7月だー夏休みだーって、思いました。そして、悲しい気持ちになりました。


7月のにおいは、好きでした。夏休みは何しよう、今年こそは宿題ちゃんとやるぞ、プールいっぱい行きたいな、お泊り会したいな、部活いっぱいできるな、合宿楽しみだな、おばあちゃんち行くんだよなっ。わくわくと期待に満ちているから、7月のにおいを思い出したら、心が躍りました。そして今年、7月のにおいを感じると、心がざわつきました。不思議。悲しくて悲しくて、何が悲しいのかと思ったら、ああ、もうそんな時期か、と気づきました。


テレビもスルーで、CDもまだ未開封で放置で、誕生日とかそういう記念日もすべて忘れて、別のこと(って仕事だけれど)で頭いっぱいにして、それでも今日なつの気配と一緒に感情が先にこみ上げてくるなんて、18歳のうら若き私には相当ショッキングな出来事だったんですねえ。一種のトラウマレベルですね。だからと言って、7月を嫌いになりゃしませんが。


当日が、大学で最初の試験の最終日でした。それで、ああ良かったと思ったことを覚えています。まだ試験やレポートが続くようでは、とても手につかなかっただろうから、と。翌日か2日後に、髪を切りました。その時、初めて髪を染めました。つるんとしたボブは気に入りましたが、スタイリングが面倒なのであの長さには以降一度もしていません。美容師さんと話をして、どうにか「普通」でした。そして、翌月曜から夏期講習のバイトが始まり、朝から夕方まで毎日勉強することも、救いだと思いました。何かをしていなければ、そのことで心がいっぱいになってしまうからでした。当時を知る友人曰く、「見たこともないほどに不安定だった」そうです。私の不安定なんぞ高が知れておりますが(ご飯も食べていたしよく寝ていた)、それにしても、ガラスの十代、恐るべし。そして、そんなことを事細かに覚えている自分を自覚しては、どれほどあれがショックだったのだろう、幾度あの頃を思い出したのだろう、と目眩がします。バカなの?わたし。暇なの?わたし。


どうにかならんのかな。希望を捨ててなお、そう考えることは滑稽であります、もう、止まった時間は動き出している、すべてはあの頃のままではなくそれぞれがそれぞれで道を拓いている、私が願うことなんて何もなく、もう、もう、今のことはもう「もう」でしか話せない、それは、なんてかなしいことなのだろう。でも、それでも時間は進んでいく。私も、いつまでも7月の呪縛に囚われている場合ではない。閉じこもっている場合でもない。来年は、こんなかなしみのなきよう、願いをこめる。それが、私の中ですべて風化したためであったとしても。